由緒
1444年に文渓元作禅師(東福第160世)が、その師、琴江令薫禅師(東福第129世)を開山として創建した臨済宗大本山東福寺の塔頭寺院。旧法性寺五大堂の遺仏である不動明王(1006年開眼)を本尊とすることから「五大堂 同聚院」と呼ばれています。
10世紀、かつてこの東山の地は藤原忠平建立の天台宗法性寺が壮大な伽藍を有しており、1006年藤原道長によって丈六の五大明王を安置する五大堂が増築されました。後に兵火によって消失しましたが、その法性寺跡地に東福寺が建立され、五大堂は唯一火災から逃れた不動明王を安置するために1280年東福寺開山の聖一国師によって再建されました。同聚院はその五大堂を本堂とする形で建立されており、現在の五大堂は1714年(正徳4年)の再興を経たものになります。
「働く女性の守り本尊」不動明王
かつてある女御が牛車で法性寺を訪れた際、特に大事な琴の爪を失くしたと言って道長公に所在を求めました。不動明王の霊験を聞いていた道長公は潜心に黙祷して「もし見つけることが出来たならお堂を建立して報恩し奉ります。」と請願したところ、三ノ橋(現在の同聚院北西あたり)付近にてこれを得て、大いに歓喜して献上したと伝わります。そうして建立したのが同聚院の五大堂であり、不動明王は当時の女御・更衣などの身分の高い女官からも絶大な信仰を得たと言われ、特に芸事上達を祈願することも多かったと言われます。
近代においては、祇園の芸妓で胡弓の名手として知られた日本のシンデレラ・モルガンお雪さんの信仰を縁として、全国の女性から「働く女性の守り本尊」としてあつく信仰されています。
※お知らせ
「働く女性の守り神」折上稲荷神社様との合同御朱印「モルガンお雪の満願成就」御朱印を令和2年11月1日より授与いたします。>詳しくはこちら